大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

新潟地方裁判所 昭和43年(わ)165号 判決

本店所在地

新潟市万代町二五番地の二

新潟トルコセンター株式会社

右代表者代表取締役

姉崎博

本籍と住居

新潟市旭町通一番町八五番地

会社役員

姉崎博

大正一二年一月八日生

右被告人らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官斎藤正吉出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人新潟トルコセンター株式会社を罰金三〇〇万円に、同姉崎博を懲役四月に処する。

被告人姉崎博に対しては、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は全部被告人らの連帯負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人新潟トルコセンター株式会社は、新潟市万代町二五番地の二に本店を置き、資本金一、五〇〇万円で、トルコ風呂、バー、喫茶店などを営むものであり、被告人姉崎博は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告会社の業務に関し法人税を免れる目的で、

第一、昭和三九年七月一日より翌四〇年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は一一、〇〇五、四一一円で、これに対する正規の法人税額は三、八九一、八〇〇円であつたのにもかかわらず、売上金額の一部を除外して簿外預金にするなどの不正行為により所得の一部を秘匿し、昭和四〇年八月三一日所轄新潟税務署長に対し、所得金額が零である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて被告会社の正規の法人税額三、八九一、八〇〇円を逋脱し

第二、昭和四〇年七月一日より翌四一年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は二一、五六二、七五四円で、これに対する正規の法人税額は七、五四三、三〇〇円であつたのにもかかわらず、前同様の不正行為により所得の一部を秘匿し、昭和四一年八月三一日所轄新潟税務署長に対し、所得金額が零である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて被告会社の正規の法人税額七、五四三、三〇〇円を逋脱し、たものである。

(証拠の標目)

判示全事実

一、被告人姉崎の当公判廷における供述

一、右被告人の検察官に対する供述調書三通ならびに収税官吏に対する昭和四三年三月一日付および同年六月一七日付(二通)各質問てん末書

一、右被告人作成の答申書八通

一、青木代規、渡辺武司および姉崎チイの検察官に対する各供述調書

一、伊藤御武の収税官吏に対する質問てん末書

一、勝山俊夫、中山貢、永井淳子、片桐準治、崔賛準、山谷義一および南場万作作成の各答申書

一、勝山俊夫作成の証明書

一、新潟税務署長作成の新潟法一一七号および一一九号の各証明書

一、押収してある総勘定元帳五冊(昭和四三年押六七号符六、七、一六ないし一八号)、売上張四冊(同符八、九、一九、二〇号)、金銭出納帳一冊(同符一〇号)、源泉徴収簿三冊(同符一一ないし一三号)、売買契約書二通(同符一四、一五号)および売上メモ一綴(同符二一号)

(法令の適用)

被告人会社につき

法人税法一六四条一項、一五九条一項、刑法四五条、四八条二項

被告人姉崎につき

法人税法一五九条一項(懲役刑選択)、刑法四五条四七条、一〇条、二五条一項(税率については刑示第一につき昭和四一年法律三二号による改正前の法人税法六六条により、第二につき右改正法附則三条による。)

被告人らの訴訟費につき

刑事訴訟法一八二条、一八一条一項本文よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 高山政一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例